参加者募集のご案内

 
科学研究助成事業 基礎研究(C:20K00232)採択研究課題
「アートを介した社会課題の理解」のための対話探究モデルの開発 実践研究

 
 

国吉型・対話探究モデル実践講座の開催について
 
 この冬、岡山大学大学院教育学研究科《国吉康雄記念・美術教育研究と地域創生寄付講座》(以降、国吉康雄記念研究寄付講座)と一般社団法人クニヨシパートナーズは、地域の文化・アートをSDGs課題の解決という語り口で紹介する展覧会「And Recovering Them そして、それらを回復する」(「ARTS for the future !」文化庁令和2年度第3次補正予算事業)を開催いたします。
 本展覧会の関連プログラムとして、美術展覧会の制作過程をリアルタイムで体験することで、プログラム参加者の思考力を、論理的、創造的、協働的にトレーニングするワークショップ「国吉型・対話探究モデル 実践講座」を開講することとなり、この参加者を募集致します。
 
募集人数
対面5名 リモート10名
参加希望者は、ページ下部メールアドレスへ 11月5日(金)17:00までに連絡をください。応募フォーマットを返送します。また、応募者多数の場合は抽選とします。
 
参加条件
対面での受講を希望する方
① 岡山大学津島キャンパスで実施するワークショッププログラムに参加可能な方
② 高校生以上で2回の新型感染症ワクチンを接種済みの方
③ 展覧会開催の前にPCR検査を自己負担で受けて頂ける方
④③のPCR検査について
検査費用は¥3,000程度を予定 / 学生受講者のPCR検査費用は主催者で負担 / PCR検査の手配は主催者で行います。
 
リモートでの受講を希望する方は適切な通信環境と設備
各詳細はページ下部連絡先までお問い合わせください。
 
ワークショップの狙い
 本ワークショップではまず、参加者のみなさんが自身の思考力を、他者が制作した芸術作品やアートプロジェクトを探究する機会を利用して「芸術経験」を通して再確認します。この「思考力の再確認」は、取材する技術や創造性と批評性、協働性、物語性(ナラティブデザイン)の視点から行われ、それぞれの視点が持つ意味を参加者が理解し、それらを自身の思考作業の中に取り込むスキルを獲得することを目的としています。
 また、本ワークショップと連動する展覧会「And Recovering Them そして、それらを回復する」制作現場の取材を通して、SDGs課題についての考察を深め、研究と保全を踏まえた、公共財としての地域の文化芸術資源の活用法についても考察します。
 
国吉型・対話探究モデル
 「国吉型・対話探究モデル」は、国吉康雄記念研究寄付講座が提唱する鑑賞手法で、岡山市出身で米国で活躍した洋画家・権利運動のリーダーであった国吉康雄(1889-1953)作品など、社会へのメッセージを内包した作品の芸術体験を通して、社会課題への興味喚起を促し、学問領域を横断するための思考モデルです。本ワークショップ及び、「国吉型・対話探究モデル」の開発と検証は、科学研究助成事業基礎研究(C:20K00232)採択研究課題「アートを介した社会課題の理解のための対話探究モデルの開発と実践研究」により実施されています。
 

 

 
プログラム
「国吉型・対話探究モデル実践講座」は、以下のプログラムで構成されます。
 
①テーマ : 知る~ オンデマンドで配信
岡山大学で企画・進行中の「And Recovering Them」展の企画・制作情報にリアルタイムで触れる機会の提供を行います(展覧会詳細は後述)
 
②テーマ : 取材する~11月20日(土)21日(日)10:00~15:00(12:00~13:00休憩)
「And Recovering Them」展での展示作品と、企画者を含む制作スタッフ(他者)への取材作業を経験していただきます。
 
③特別プログラム~12月11日(土) 20:00〜
ニューヨーク市立大学企画展「Un Homeless NYC」の企画者で、ニューヨーク近代美術館研究員山村みどり氏との対談イベントを実施します。
 
④テーマ : 探究する~12月12日(日)10:00~12:30
自身の思考力を創造的、論理的に拡張するため、他者(展覧会・作品・他参加者)と対話協働する場を、展覧会上に設け、自身の思考力について考察して頂きます。
 
⑤テーマ : 実践する~12月12日(日)13:30~17:00
展覧会会場で他者(スタッフ・関係者・鑑賞者)と、展覧会の意図や作品展示の背景をテーマに意見を交換する機会を設けます。
 
⑥テーマ : 改めて思考する~12月26日(日)10:00~15:00
次回展示のための「企画の発展」を、仮のテーマに、本ワークショップの総括討議をワークショップ参加者と展覧会制作者が行います。
 

 

「And Recovering Them そして、それらを回復する」展について
 
会期 2021年12月5日(日)~26日(日)
会場 岡山大学津島キャンパス創立五十周年記念館 / 岡山大学中央図書館2階ムラタアカデミア特設会場
「And Recovering Them そして、それらを回復する」展は、SDGs課題の啓発を目的としたアート展覧会です。国吉康雄記念研究寄附講座が関わるアート作品、アートプロジェクトを、以下の①~⑤のSDGsという視点から解説展示します。会場では、展覧会のテーマを補完する国吉康雄記念研究寄付講座が制作したドキュメンタリー作品の上映も合わせて行います。
 
テーマ①「ecology」
自然の営みと循環を主題に、天然素材の使用に拘った制作を行う日本画家・千住博の日本画作品から、「循環する水資源」について考え、画家が拠点を置くニューヨークからの視座で創作について考える
テーマ②「responsible」
木造建築を革新し、新たな生活様式を提案する隈研吾がデザインする、岡山大学工学部の「共創共育棟建築プロジェクト」に込められた思想性から、「つくる責任とつかう責任」について考える
テーマ③「community」
平成28年熊本地震で被災し、地域市民の草の根の活動によって、先進的な修復技術で再生された田中憲一の油彩画作品と、その修復プロジェクトを通して「震災記憶と地域市民の考える文化の継承」を考える
テーマ④「humanity」
第二次世界大戦で南方に出征し、戦後ハンセン病を発症。生涯を国立療養所長島愛生園で暮らした洋画家、清志初男が遺した油彩画作品「羅漢寺石仏」に込められた歴史的・社会的背景と、長島愛生園が訴える「人間回復」という主題について考える
テーマ⑤「rights movement」
岡山市出身の日系移民一世であった国吉康雄は、二つの世界大戦と感染症パンデミック、世界恐慌、赤狩という激動の時代をニューヨークで生き、アメリカを代表する画家として成功する一方、権利運動と教育に心血を注いだ。国吉の画業と人生から、芸術の創造と人権の関係について考える
 
 上記のテーマに加えて、国吉康雄作品をコレクションの原点とし、千住博が参加した「家プロジェクト・石橋」を展示する、瀬戸内の離島を舞台に地域振興をアートで行う「ベネッセアートサイト直島」についての紹介展示や、ニューヨーク市の「ホームレス問題」について、アートを活用した課題解決を図るニューヨーク市立大学が企画した展覧会「Un Homeless NYC」の展示運営チームとオンラインで結んだイベントを実施致します。

 

ワークショップスタッフ
コーディネーター
伊藤駿(And Recovering Them展製作 / 岡山大学助教)
主任講師
才士真司(And Recovering Them展企画 / クリエイター / 岡山大学准教授)
講師
佐々木紳(記録映像制作者) / 金縄あかり(教員)
 
ゲスト(予定)
赤木里香子 岡山大学教授
山村みどり ニューヨーク近代美術館研究員 / ニューヨーク市立大学講師

 

国立大学法人岡山大学大学院教育学研究科
《国吉康雄記念・美術教育研究と地域創生講座》
国吉康雄プロジェクト
http://www.yasuo-kuniyoshi-pj.com/
〒700-0016 岡山市北区伊島町2-21-23
Mail s.ito@okayama-u.ac.jp

会場
岡山大学津島キャンパス
 
会期
2021年11月〜12月の5日間
①オンデマンド
②11月20日(土)10:00~15:00
 11月21日(日)10:00~15:00
③12月11日(土)20:00〜
④⑤12月12日(日)10:00~17:00
⑥12月26日(日)10:00~15:00
詳細は「プログラム」参照

 

主催・企画
国立大学法人岡山大学大学院教育学研究科《国吉康雄記念・美術教育研究と地域創生講座》
 
制作
一般社団法人クニヨシパートナーズ